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【読書感想】「原始仏典Ⅱ相応部経典【第四巻】」

相応部経典 第四巻 (原始仏典II (4))

 

原始仏典。

 

まるでブッダから対面で直接教えを受けている気にしてくれる経典です。

 

ブッダは六処と感受について徹底的に無常、苦、無我とみよと教えてくれます。

 

第1篇 六処についての集成

第2篇 感受についての諸小経典の集成

第3篇 女についての諸小経典の集成

第4篇 ジャンブカーダカについての諸小経典の集成

第5篇 サーマンダカについての諸小経典の集成

第6篇 モッガラーナについての諸小経典の集成

第7篇 チッタについての諸小経典の集成

第8篇 村長についての集成

第9篇 無為についての集成

第10篇 無記についての集成

 

 

六処とは六つの内なる領域(六内処。眼・耳・鼻・舌・身・意)と六つの外なる領域(六外処。色、声、香、味、触、法)

 

 のことです。

 

受とは感受のことで苦なる感受、楽なる感受、苦でも楽でもない感受

 

のことです。

 

六処も感受も十二因縁のなかにありますね。

 

仏教の十二因縁とはこのような流れで苦しみが生まれるということを示しています。

 

無明→行→識→名色→六処→触→受→渇愛→取→有→生→老病死憂悲苦悩

 

生まれることに縁って老病死憂悲苦悩が生まれるとブッダは言ってます。

 

つまり生まれなければ老病死憂悲苦悩が消滅するとも言ってます(笑)

 

生まれなければ死なないのです。

生まれなければ悩みがないのです。

生まれなければ病気にならないのです。

生まれなければ老いないのです。

生まれなければトイレに行かなくて良いのです。

生まれなければ毎朝ヒゲを剃らなくても良いのです。

生まれなければハゲないのです。

 

すごい明快ですね!

 

この本では主に六処と感受について執着から離れる方法を書いています。

 

欲望には五種類の欲望があるといいます。

 

眼によって識別される色

耳によって識別される音

鼻によって識別される香

舌によって識別される味

身によって識別される触

 

普通の人間にはこれらが最高の楽しみであると感じています。

 

しかしブッダはこれ以上の楽しみがあると言っています。

 

それは、

 

●第一禅定:さまざまの欲望からぬから離れ、さまざまの善からぬ様態から離れ、粗なる考察と密なる考察を行い、遠離より生じた喜と楽とある境地

●第二禅定:粗なる考察と密なる考察の終熄により、内面に確かな浄心あり、心が専一し、粗なる考察も密なる考察もなく、三昧より生じた喜と楽とある境地

●第三禅定:喜よりも離れることにより、棄捨する者となって住まり、そしてしっかりと念持し正しく了知しながら、身体により楽を感受する。尊い人が彼を、棄捨ししっかりと念持しつつ楽に住まる者と説く境地

●第四禅定:楽を捨てまた苦を捨てることによって、あらかじめ喜楽と憂悩が滅びているために、苦もなく楽もなく棄捨により憶念が清浄であるという境地

●空無辺処:色形の想いをすっかり超え、嫌悪の想いが滅び、多様の想いを意に介さぬために、虚空に終わりはないと考える、果てしない虚空という境地

●識無辺処:果てしない虚空という境地をすっかり乗り超え、識に終わりはないと考える、果てしない識という境地

●無所有処:果てしない識という境地をすっかり乗り超え、いかなるものもないと考える、何もないという境地

●非想非非想処:何もないという境地をすっかり乗り超え、想いもなく想いでないものもないという境地

●想受滅:想いもなく想いでないものもないという境地をすっかり乗り超え、想念と感受の滅亡という境地

 

とあるようです。普通の人が感じる喜びは欲を伴っていて不安定であると言っています。

 

このような境地に至る方法とは、厭い離れることです。厭うとは嫌悪するということです。

 

六処も感受も無常であるとみる。

無常であるものは苦しみであるとみる。

無常であって苦しみでああり変化する性質のものを

「これはわたしではない。これはわたしのものではない。これはわたしの我ではない」とみる。

このようにみると六処も感受も厭い離れる。

厭い離れて、貪りを離れる。貪りを離れるから解脱する。

解脱したときに「わたしは解脱した」と知ることになる。

「生まれは尽き、梵行は修せられ、なすべきことはなされた。さらにこの世の生存をうけることは無い」と知るのである。

 

このような全く苦しみの無い状態になるのはかなり難しいと思いますが、これを意識すれば苦しみは減るのかなと思います。

 

仏典はすごいです。宗教アレルギーの方も一度は読んだほうが良いです!

 

相応部経典 第四巻 (原始仏典II (4))

相応部経典 第四巻 (原始仏典II (4))